2008年02月02日

中国的餃子和奥林匹克

 いやぁ、中国産ギョーザの話題で盛り上がっていますねぇ。ホント恐ろしい話です。中国における衛生観念や倫理観の欠如を身をもって知っている私としてはこの騒ぎに乗じてあれこれ書きたいところだけど、こうもみんなが中国叩きに走ると何故か擁護したくなる。

 まず、中国製の加工食品の輸入を全て禁止しろとか言っている人もいるみたいだけど、そんなことしたらスーパーの冷凍食品売り場が空っぽになるでしょう。そもそも、野菜などもたくさん中国から輸入しているのに加工食品だけを禁止しても意味はない。今の日本の庶民の食生活は中国産のものなしでは成り立たないということを認めなければならない。まず話はそこから。

 んで、こーいう問題が発生する度に出てくる「こんな国でオリンピックができるのか」という皆様の声。いやぁ確かにお客様のご意見はごもっともだと思いますよ。マジで北京はヤバイっすよ。私がIOCの理事なら絶対に北京を選びませんもん。

 でもね、今の中国を今の日本と比べるからダメなんですよ。比較対象は今の中国と1964年の東京オリンピック当時の日本であるべきかと。

 旦那、当時の日本だって負けていませんぜ。森永ヒ素ミルク事件やPCB混入事件といった食品に薬物が混入する事件はいくつもあったし、水俣湾や阿賀野川では垂れ流されたメチル水銀で汚染された魚を食べていたわけだし、当時の四日市の空気と今の北京の空気のどっちがきれいなのかと訊かれても誰も答えられないと思う。

 大躍進やら文革やらで迷走しまくっていた中国は日本が40年前に経験した高度経済成長時代を今まさに過ごしているんですよね。しかも、当時の日本を遙かに上回るスピードと規模で。確かに中国人の国民性に起因するところもあるかもしれないけど、40年前の日本人だってそんな胸を張れるほどの倫理観や衛生観を持ち合わせていなかったわけで。

 もちろん、だから目をつぶれってわけじゃなくて、そういう時代を経験した日本として何ができるのかって話だと思うんだよね。中国の後進性を批判したり、「だから中国人は・・・」と言うことは結構だけど、それだけじゃただ自尊心を満足させているだけ。どうすれば日本の過去の経験とそれから得た知識を活用して安全な食品が日本に届くようにできるかって点が重要なんであって。

 日本にとっても中国製品なしの生活というのは考えられないし、中国にとっても日本への輸出なしの経済政策ってのは考えられないわけで。特に今の中国政府は北京オリンピックを控えて中国のイメージアップに躍起してるわけですよ。なので、ここはひとつ中国共産党幹部を上手くおだてて目的を達することこそが"先進国"日本がやるべきことかと。

 話は少し変わるが、最近「サイゴンのいちばん長い日」で有名な近藤紘一の著作を読み漁っている。ベトナムの庶民の生活やベトナム人の妻と娘との日常を暖かいまなざしで見つめていた彼が産経の記者だったってのが未だに信じられない。今の北京駐在の産経記者が書いている記事を読む度にそれが不思議でならない。
posted by Tets at 21:13| Comment(2) | TrackBack(1) | 日常編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ホントですね。
どれほど中国に頼っていたのか
思い知らされた事件でした。
外食産業やら冷凍食品やら・・・
この事件でますます物価が上がりそうな気がして・・・主婦はそれが怖いです。
何事も一方向から見るだけじゃダメですね。
Posted by 青空 at 2008年02月04日 11:57
今の日本に中国製品抜きの生活は無理ですからね。
そこまで依存していることは怖いですけど、
日本人が安さと便利さを追い求めた結果なんですよね。
そのツケを払わなければいけない時が来たって気がします。
ある意味自業自得かなと。
Posted by Tets at 2008年02月05日 11:07
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なぜ謝罪しないのか
Excerpt:  そこで、彼らが頼りにするのは「言葉」となる。つまり、攻撃対象の人間から「私が悪
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